ホワイトレディ White Lady

1919年、ロンドンの「シローズ・クラブ」の名バーテンダー「ハリー・マッケンホルン」氏が考案したカクテルです。

今のレシピは、ドライジン・コアントロー・レモンジュースです。
ですが、考案された当時は、ドライジンではなくペパーミントリキュールを使用したスタイルでした。

ホワイトレディが考案されてから6年後の1925年に、パリの「ハリーズ・ニューヨークバー」に職場を変えた彼は、のちに世界的に有名になり、今でも愛飲されるドライジンベースに変更したとされています。

また、このカクテルの名前の由来はいくつか諸説がありますが、今回はその中でも有名なお話をご紹介させて頂きますね。

1840年、イギリスのヴィクトリア女王がウエディングドレスに白を用いた最初の人物であると言われています。

白いウエディングドレスを着たイメージから、「ホワイトレディ=白い貴婦人」という意味合いを連想させるカクテルが誕生したと言われています。

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ホワイトレディの良さ

ショートカクテルを作る、レシピを覚えるうえで一番初めに覚えた方がいいといっても過言ではないカクテルです。

今、世界中で愛飲されているレシピは、ドライジンベースでコアントローとレモンジュースを使用するスタイルです。

実はこのレシピ、ベースのお酒を変えるだけで色々なカクテルに大変身してしまうんです。

ドライジンをウォッカに変えると、「バラライカ Balalaika」

ドライジンをラムに変えると、「エックス・ワイ・ゼット XYZ」

ドライジンをテキーラに変えると、「マルガリータ Margarita」

ドライジンをブランデーに変えると、「サイドカー Sidecar」

と様々なレシピを一度に覚えられる法則があるんです。

カクテルは色々ありすぎて何から覚えたら分からない、どこから手をつけて覚えたら分からないという方や、これからバーテンダーとして働く方はぜひホワイトレディから覚えていきましょう。

ホワイトレディを覚えてベースを変えるだけで、5つものカクテルを作れるようになりますよ。
こうやって覚えやすいところもいいですね。

そんなホワイトレディのアルコール度数は、約30%近くとかなり強い感じがしますが、コアントロー(オレンジ系のリキュール)とレモンジュースが柑橘系の爽やかなテイストに仕上げてくれます。

口当たりは飲みやすいカクテルですので、ついつい飲みすぎてしまってせっかくのデートなどの時に足腰が立たなくならないようにお気を付けくださいね。

ホワイトレディの味わい(フレバー)

オレンジ系リキュールのコアントローとレモンジュースが爽やかな味や香りを表現してくれるドライジンベースのショートカクテル。

このカクテルでも使用しているコアントローも実はアルコール度数が高いリキュールなんです。

リキュールといえば、そんなに強いものはないんじゃないかとイメージをおもちの方も多いかと思いますが、このコアントロー、実はアルコール度数40%もある強めなリキュールなんです。

ドライジンがレシピの1/2、コアントロー1/4、レモンジュース1/4とレモンジュース以外がアルコール度数40%以上のお酒を混ぜ合わせたカクテルです。

バーテンダーさんによっては多少配合も変えて飲み口は爽やかだけど、実はアルコール度数が高いカクテルなので、飲みやすいからといって何杯も飲んでしまうと後で後悔してしまうかもしれないですね。

私のお店のお客様でも、味が好きだからと何杯かお飲みになる方もいらっしゃいますが、案の定、帰る頃にはいい感じになっていらっしゃるお客様も多いですね。

男性・女性にも人気のカクテル。

暑くもなく寒くもない、過ごしやすい春先や秋に爽やかなホワイトレディを飲むと気候的にも気持ち的にも爽やかな気分にさせてくれる1杯だと思いますよ。

ホワイトレディの美味しい作り方

用意するもの

材料

  • ドドライジン(タンカレー) 30ml
  • コアントロー  15ml
  • レモンジュース  15ml

手順

  1. シェーカーに全ての材料を入れる。
  2. バースプーンで一度ステアして、テイストを確認して、シェーカーに氷を入れる。
  3. ハードシェイクを20回ほどして、冷えたカクテルグラスに注ぐ。
  4. お好みでレモンピールを一振りかける。

*レモンピールだと、より爽やかな感じに仕上がりますよ。
コアントローも使用しているので、少し甘さが欲しい方ならオレンジピールでもいいかと思います。

少しまったりするようなオレンジのいい甘い香りが引き立ちますので、お好みに合わせて使い分けてみてくださいね。

飲み方

ショートタイプのカクテルですので、あまり時間を掛けて楽しむよりかは、なるべく早めに出来上がりの状態に近いテイストを楽しんで下さい。

か、もしくは出来上がりの一口目をしっかりと覚えて楽しんだうえで、時間とともに変化していく味を楽しむのもいいかもしれませんね。

時間が経っても美味しく感じられるショートカクテルは熟練のバーテンダーさんの腕をもってすれば可能な技術なので、有名店や凄腕のバーテンダーさんがいらっしゃるところを見つけてはぜひトライしてみてください。

ただ、30分も掛けて飲むものではないので、程々の時間を用いて堪能してください。

ホワイトレディのアレンジ

甘めなホワイトレディ

もともと、コアントロー自体甘さがあるリキュールで、全体の1/4ほど使用して作っているカクテルですので、まったく甘さがないことはないです。

従来のレシピよりもっと甘さが欲しい方は、レシピの配合を変えてコアントローの量を増やしてレモンジュースの量を減らしたスタイルで作ったりしてもいいですね。

コアントローも実はいくつか種類のあるリキュールなので、甘さやコクがある「コアントロー・ノアール」などで作ると、上品な甘さが際立つテイストに仕上がります。

ジンの種類もタンカレー・ドライジンではなくて、フランスの修道院で生産されている「エギュベル・ジン」を使用するとオレンジのような柑橘系の甘さがありますので、相性抜群の甘めなホワイトレディが出来ること間違いないですよ!

アルコールが苦手な人におすすめなホワイトレディ

アルコール度数が高いショートカクテルですので、苦手な方は飲んだことがある人から感想を聞いて自分なりに想像するしかないですね。

そんなこと言わずに、アルコールが苦手な人でも味わえる方法はないんですか?

んんんんんんん…

そうですね、ではこんな感じはどうでしょうか?

ノンアルコールで作ってしまうと本来の味からはだいぶ遠ざかってしまうので、少量のジンだけは使わせてくださいね。
そのかわりに、コアントローのアルコール分はなくしてみましょう。

このコアントロー、お菓子作りでもよく使用されるリキュールなんです。
街のケーキ屋さんに行くと、必ずといっていいほど常備されているリキュール。

フレンチのシェフも料理の香り付けでしようしたりとあらゆる分野で使われているんです。

このコアントローを鍋やフライパンに100ml注いで、火をつけてアルコールと飛ばしてしまいましょう。

この時、かなりの火が立ち上がりますので、近くに燃えるものなどを置かずに安全を確認してから行ってくださいね。

アルコール分を飛ばし冷めたら、タッパーに冷めたコアントローとオレンジ1個を絞り、残った果肉や皮もすべて切って入れて一晩冷蔵庫で寝かせてください。

オリジナル・ノンアルコール
オリジナル・ノンアルコール・コアントローリキュールの完成です。

コアントローとはオレンジの果肉以外を用いて作っているリキュールですので、残った皮などを入れて作った方がよりコクが出て美味しいかなと思いこのレシピにしてみました。

ここまで準備が出来たら、アルコールが苦手な方でも楽しめるホワイトレディを作っていきましょう。

ジンの量は人それぞれの配合で決めてみてください。
今回は、10ml使用するレシピでいきますね。

ジンは、ウィルキンソンを使いましょう。
アルコール度数も37%と通常のドライジンよりも10%低いアルコール度数です。

  • ウィルキンソンジン    10ml
  • オリジナル・コアントロー 40ml
  • レモンジュース      10ml

全ての材料をシェーカーに入れて、テイストを確認して氷を入れてハードシェイクします。
冷えたカクテルグラスに注げばオリジナル・ホワイトレディの完成です。

このレシピですと、アルコール度数も約6%前後と大変飲みやすいと思いますので、アルコールが苦手だけど楽しみたい方にはもってこいのレシピかなと思います。
ぜひ、ご家庭やお店でも試してみてくださいね。

などなど、以上は例です。

ホワイトレディに合う料理&おつまみ

ショートタイプでアルコールが高いカクテルですので、料理と合わせて楽しむよりかは、食事の後に軽くつまみながら楽しめる料理やおつまみなどをご紹介したいと思います。

爽やかなジンベースのカクテルですので、おつまみならオリーブやドライフルーツなどがたいへん合うと思います。

もちろん、ナッツや柿の種など、乾きものはもちろんのこと合いますよ。
スーパーなどで売っている小袋に入っているおつまみセットもいいですね。

ひと手間加えた料理などですと、旬の魚を醤油漬け(めんつゆ漬けもおすすめです。)にして和わさびを付けながらの1杯もいいです。

それから、ピクルスや日本の浅漬けやお新香などの漬物、チーズならスモークチーズがより一層ジンベースのホワイトレディを引き立ててくれて、いい相乗効果を生み出してくれます。

ホワイトレディの歴史(逸話)

ホワイトレディ、1919年にロンドンの「シローズ・クラブ」の名バーテンダー「ハリー・マッケンホルン」が考案されたと私も書きましたが、実はもう一人の考案者がいることをご存知でしょうか?

「Harry Craddock」「ハリー・クラドック」です。

彼は、「サヴォイ・カクテルブック」を著した歴史に名を遺した偉大なバーテンダーです。

1875年8月にイングランド西部のコッツウォルズ地方のバーレイという町で生まれました。

実はこの「ハリー・クラドック」色々な人は今でも、アメリカ生まれで、ニューヨークでもバーテンダーとして働いていたんですが、アメリカで施行された禁酒法時代(1911年~1933年)を機にアメリカを離れ、イギリスに渡りロンドンのサヴォイ・ホテルで働き始めた。

とブログや知識の一つとしてお話しされていたバーテンダーさんも多いかと思います。

2013年、2人の研究者が彼の事を約7年もの歳月を掛けて調べ上げてくれたんです。

その2人とは、「Anistatia Miller アニスタティア・ミラー」と「Jared Brown ジャレッド・ブラウン」です。

2人の研究者によれば、クラドックは成人するまではイギリスで過ごしたのちに、当時移民ブームもあってか22歳の時に、アメリカに初めて渡ったとされています。

シカゴで、ウェイターやバーテンダーとして働いたのちに、より大きな活躍の場を求めてニューヨークに旅立ちました。

マンハッタンの有名ホテルのバーや社交クラブのバーなどで働いたのちにイギリスに戻ったとされています。

1920年にイギリスに戻った彼は、ロンドンのサヴォイ・ホテルのアメリンバーで働いたとされています。

このバーの歴史の中にも、「ハリー・クラドック」が1920年に、ホワイトレディを考案したと残っています。

「ハリー・マッケンホルン」なのか「ハリー・クラドック」が考案したかは、まだ謎のままですが、そんな彼らのことを考えながら飲んでみるのもいいんじゃないですかね。

ちなみに、「ハリー・マッケンホルン」は1925年、パリの「ハリーズ・ニューヨークバー」へ移った際に、今でもなじみのあるホワイトレディのレシピを考案したと言われていますが、ベースをジンからブランデーに変えた「サイドカー・カクテル」も考案したとされています。

ホワイトレディの注意点

まずは、ホワイトレディのカロリーからご説明させていただきます。

ジンにも色々な種類があります。

今回は、レシピでも使用しているタンカレー社のドライジンを使用した際のカロリーを計算していきます。

それと、レシピでも使用するコアントローリキュールとレモンジュースも順を追って説明していきますね。

それでは、レシピのおさらいです。

  • ドライジン(タンカレー) 30ml
  • コアントロー  15ml
  • レモンジュース  15ml

まずは、ドライジン30mlからですね。

30mlをグラム計算します。
ジンの成分は大麦、ライ麦、じゃがいもなどの穀物・イモ類を使用した蒸留酒です。

なので、30ml=約28gとなります。

約28gのカロリーは、約80kcalです。

続きまして、コアントローリキュール。
オレンジの皮やわたの部分を使用して作られているホワイトキュラソー。

100ml=105gです。
今回は、15ml使用します。
15ml=約16gです。
約16g=約52kcalとなります。

最後にレモンジュース。
大きさも様々ですが、今回は皆さんがスーパーでもよく見かける中型サイズで、重さは1個だいたい85g程度のものを基準として考えていきます。

1個で果汁は約30ml、カロリーは約12kcalあります。
今回は約半分使用いたします。
レモンジュース15mlのカロリーは約6kcalとなります。

「ホワイトレディ・カクテル」のカロリー合計は、約138kcalとなります。

1杯でこんなにもカロリーがあるんだと思いますが、このカクテルで使用しているジンは蒸留酒なので、糖質は一切ございません。

15mlのコアントローぐらいですので、それほど高くはないかとおもいます。

レモンも皮ごとまるまる食べて糖質は約6g程度です。
カクテルに使用する際は、果汁しか使用しないので、15mlですと約1g程度と少なめです。

こんなに酸っぱいのに糖質が高かったらびっくりですよね。

ちなみにレモンにはビタミンCが多く含まれているほか、クエン酸もしっかり入っているのでお疲れの時は、レモンを多めに作って飲むと翌日すっきりしているかもしれませんね。

こちらもよかったら参考程度に使ってみてください。
糖質の計算方法です。

「糖質=炭水化物-食物繊維」

100gあたりのレモンの場合ですと、12.5g-4.9g=7.6gとなります。

時には、健康面も考えながら楽しくカクテルを堪能しましょうね。